07年新人ドラフトプレヴュー 大学生投手編

今年の大学球界には例年になく有望な左腕投手が多いようだ。テネシー州ヴァンダービルト大学3年のデイヴィッド・プライスは、大学球界No.1投手というだけでなく、今年のドラフトで全体第1指名も期待されている逸材である。90マイル前半の速球と2種類のスライダーとを組み合わせて打者を退ける投手で、完投できる体力も備えている。立ち上がりに制球を乱しやすいという欠点はあるものの、野球関係者からの評価は高く、投手スタッフに不安を抱えるタムパベイ・デヴィルレイズとしては是非押さえておきたい選手だ。ミズーリ州立大学3年のロス・デトゥイラーは制球力を身につけて成長した投手。変化の大きなカーヴボールと90マイル前半を計時する速球とを巧みに投げ分けるが、今季は打線の援護があまり得られないために勝ち星があまり伸びていない。175パウンドと細身の体躯であるため、持久力を不安視する声も聞かれる。テキサス州のライス大学3年のジョー・セイヴリーは、高校時代から第1巡指名候補と噂されていたが、昨年肩の手術を受けたためにやや評価が下がっている。しかし、現在では球速は90マイルまで快復し、急速の変化で打者を退ける技術も身につけてきた。特にチェンジアップについては、今年のドラフト指名候補の中ではトップクラスとの評価を得ている。大学球界屈指の左腕と見られていたアーカンソー大学3年のニック・シュミットは、寒気の中での試合で打ち込まれたためやや評価を落としている。球速の変化で打者を退けるタイプの投手で、今後の試合で変化球の切れが戻ってくるならば第1巡指名確実になるだろう。サウスカロライナ州クレムソン大学3年のダニエル・モスコスは、最速97マイルという速球を高く評価されている。春のシーズンから先発で投げているが、球威を活かすためにプロ入り後は救援投手に戻した方がいいと考えているティームもいるようだ。メリーランド大学3年のブレット・セシルも今シーズンにブルペンから先発に回った投手。すでにMLB級とも言われるスライダーがセシルの得意球で、左打者に対しては絶対的な強さを発揮する。カリフォルニア州サンフランシスコ大学3年のアーロン・ポレダは、高校時代にはアメリカンフットボールのディフェンシヴエンドとして注目されていた。投手に専念するようになったのが大学入学以後であるため、プレイにぎこちなさが残るが、95マイル前後の速球に注目する関係者は多い。

左腕投手に比べると大学生右腕の好素材はあまり多くないが、その中でもノースカロライナ州立大学3年のアンドルー・ブラックマンがNo.1と見られている。6フィート10インチの長身から投げ込む95マイル前後の速球に、2シーマー、4シーマーも交えて打者を翻弄する。変化球のナックルカーヴが安定すれば、すぐにでもMLBデビューを果たすだろう。テキサス・クリスティアン大学3年のジェイク・アリエタは、目を見張るような速球や変化球は持っていないが、バランスの取れた投手だ。90マイル前後の速球、カーヴボール、スライダー、チェンジアップを豊富な球種を投げ分ける。カリフォルニア大学リヴァーサイド校3年のジェイムズ・シモンズは、90マイル前半の速球に落ちる球を交えて、球速の変化で打者を退ける投球を得意とするが、変化球の切れは今一つ。変化の大きなカーヴボールが安定してくれば上位指名確実の素材ではある。カリフォルニア州立大学フラートン校3年のウェズ・ローマ—は三振対四球が8対1という抜群の制球力を持つ。打者をアウトにする術を心得た、巧みな配球に対する評価も高い。オハイオ州のケント州立大学2年生クリス・カーペンターは、高校3年のときに受けたトミー・ジョン手術から完全に快復し、今では95マイル前後の速球を投げられるようになった。カーヴボールとチェンジアップとも見るべきものがあるが、配球の点ではまだまだ勉強の余地がある。

救援投手でまず目を引くのは、ヴァンダービルト大学4年のケイシィ・ウェザーズ。96から97マイルを計時する速球で打者をねじ伏せる、力投型の右腕投手だ。80マイル後半の高速スライダーとの配球を工夫できるようになれば、早い時期にMLBで投げる機会が訪れるかもしれない。オレゴン州立大学3年の右腕エディ・クンツは、95マイル前後の重い速球を低めに集めて、グラウンダーを打たせる投手。スライダーの変化も鋭く、あとは左打者への対処をマスターするのが課題だ。ジョージア大学3年の右腕ジョシュ・フィールズは90マイル前半の速球に威力がある。打者に向かっていく投球は、クローザー向きと評価されているが、ときおり単調になりやすい欠点もある。
(5/28/07)