今年のドラフト候補者を見ると、大学、高校ともに、内野手は人材に乏しい。アイダホ州のルイス・クラーク州立大学3年のボー・ミルズは、今シーズンは54試合で31本塁打という長打力が最大の魅力だ。主に三塁を守っているが、捕球はともかくも、三塁手としてはやや肩が弱いので、プロ入り後は一塁か二塁に守備位置を移したほうがいいだろうと見られている。フロリダ州立大学4年マット・ラポータは、昨年ボストン・レッドソックスから第14巡指名を受けている。昨年は脇腹の負傷のため、満足にプレイができなかったが、体調が戻った今季はミルズに匹敵する長打力を発揮している。一塁の守備は可もなく不可もなしといったところだが、元捕手なので肩は強い。
しかし、大学生の内野手で第1巡、遅くとも追加第1巡で指名されそうなのはこの二人くらいだろう。テキサス大学の三塁手ブラッド・サトルは長打よりも打撃の巧みさが注目されている選手だ。高校時代には投手を務めていたこともあるため肩は強いが、守備範囲はあまり広くない。今年が大学2年生のシーズンなのだが、今後の成長に期待して上位で押さえてくるティームがあるかもしれない。オクラホマ州立大学3年の三塁手マット・マンジニは、昨夏、全国の大学生選手が集まるケープコッドリーグで首位打者を獲得したことで一躍注目されたが、今シーズンに入ってからの成績は今一つ。三塁守備でも前後の動きを苦手としていて、プロ入り後は守備位置を移動することになりそうだ。ミシシッピ大学3年のザック・コーザートは大学球界では数少ない、上位指名の可能性がある遊撃手だ。特に守備力の高さが注目されていて、脚力も水準以上。あとは打力が備わってくれば、MLB定着を果たせるようになるだろう。二人の兄が過去にドラフトで指名されている、ニュージャージー州ラトガー大学3年の三塁手トッド・フレイジャーは、抜きん出た才能の持ち主ではないものの、打撃走塁守備のバランスの取れた万能選手、ノースカロライナ大学の遊撃手ジョシュ・ホートンの魅力は優れた選球眼と左右に打ち分ける巧みな打撃とだが、いずれも第1巡で指名されるほどの選手かというと疑問符がつけられる。
カリフォルニア州サイプレス高校の三塁手ジョシュ・ヴィッターズが、高校生ではトップクラスの素材と評されている。どんな球種や球速にでも対応できる柔軟な打撃に加え、優れた選球眼も備えており、打撃面ではほとんど不安は感じられない。三塁の守備は無難にこなすという程度ではあるが、第1巡で名前が呼ばれることは確実である。今シーズンの急成長でにわかに注目されているのが、カリフォルニア州チャツワース高校のマイク・ムースタカスだ。この稿を書いている時点で打った本塁打が20本。しかも、45安打のうち長打が28本という、驚くべき長打力を発揮している。3年生になって、捕手から遊撃手にポジションを移しているが、プロ入り後は三塁か一塁に移動するかもしれない。最速97マイルを計時する強肩も注目されている。ムースタカスの成長でやや影が薄くなったが、同じチャツワース高校の三塁手マット・ドミンゲスも第1巡指名の可能性がある逸材である。ドミンゲスの魅力は守備力の高さで、ムースタカスにも劣らない強肩と、堅実な捕球とで、将来はゴールドグラヴ級という守りを披露する。打撃では、打率も長打も期待できる。テキサス州ヒューストンにあるメモリアル高校のケヴィン・アーレンズは、両打ちの三塁手ということで、アトランタ・ブレイヴズのチパー・ジョーンズと比較されることが多い。打率の期待できる中距離タイプの選手だったが、今シーズンは長打力も備わってきた。同じテキサス州のリバティ・エリヨ高校でプレイするウィル・ミドルブルックスは、投手と三塁手との二役を務めている。90マイル前半の速球とカーヴボールとを得意にする投手だが、MLB関係者は強肩強打の三塁手としての将来性に期待している。
フロリダ州ペース高校のドルー・カムバーランドとオクラホマ州オワソ高校のピート・コズマとが、今年のドラフト候補遊撃手の中では高い評価を受けている。カムバーランドの脚力の方がやや勝っているが、いずれもスピードと積極的なプレイとに注目を集めている。今後体力を身につけていくことで、将来は1、2番を任せられるような選手になるだろう。カリフォルニア州パーカー高校のニック・ヌーナンは、今シーズン33盗塁、14三塁打という快足を備えた二塁手。長打力こそないものの、外野の間を狙えるだけの打力は備わっている。カリフォルニア州ウィルスン高校のライアン・デントは、脚力と打力と両方で注目されている選手だ。本来の守備位置は遊撃手だが、肩がやや弱いため二塁手の方が向いているという評価もある。ノースカロライナ州ロバースン高校のジャスティン・ジャクスンは、高校最後のシーズンで5割を.520、39打点、12本塁打、21盗塁の成績を収め、成長の跡をうかがわせている。守備面への評価はもともと高く、展開によっては第1巡指名の可能性もあると言われている。
(5/31/07)