ニューヨークのティーム打率.290、968得点はMLB首位、201本塁打はアメリカンリーグでトップの数字である。しかし、このティームが大量得点を挙げるのは、下位のティームとの試合で、先発投手が早い回で崩れてしまった場合であることが多い。各ティームの主力投手が出てくると、すっかり静まり返ってしまうという脆さがある。ポストシーズンでは全然打てないアレクス・ロドリゲス、マツイ・ヒデキが、チャンスで何本か打てれば状況は多少変わってくるかもしれないが、ヤンキーズの打線には数字ほどの威圧感はない。カノ、カブレラから、上位につなぐ攻撃に徹した方が、むしろ勝機があるのではないかと思われる。一方のクリーヴランドは打率.268、811得点、178本塁打はいずれもヤンキーズに大きく差をつけられているものの、リーグ3位の防禦率4.05という投手スタッフが揃っているので、さほど不利には働かないだろう。ビクトル・マルティネスの打撃は今年も安定していたが、トラヴィス・ハフナーは、100打点をマークしたとはいえ、この4年間では最低の数字だった。MLB屈指のリードオフマンに成長したグレイディ・サイズモアがどんな働きを見せるかが興味深いが、それよりも油断のならないのはケニー・ロフトン、ケイシィ・ブレイクの勝負強さだ。
予定されている先発投手は以下の通り。
| クリーヴランド |
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第1試合
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C・C・サバシア
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第2試合
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ファウスト・カルモナ
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第3試合
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ジェイク・ウェストブルック
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第4試合
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ポール・バード
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| ニューヨーク |
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第1試合
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ワン・チエンミン
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第2試合
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アンディ・ペティット
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第3試合
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ロジャー・クレメンス
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第4試合
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マイク・ムシナ
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第1試合のサバシアとワンという、19勝右腕同士の投げ合いが地区シリーズの行方を決めるポイントになるのは間違いがない。しかし、クリーヴランドの打線はワンを打つかもしれないが、ヤンキーズはサバシアに対して手も足も出せないだろう。第2試合の右腕カルモナと左腕ペティットとの投げ合いも同様。さて問題は、第3試合のヤンキーズ先発がクレメンスというところ。6月にMLBに復帰したものの調整不足が明らかで、しかもシーズン最後の2週間は故障でマウンドに登れなかった。キャリアを買っての起用かもしれないが、同じヴェテラン右腕であれば、まだムシナの方が期待できそうに思われる。不振で先発を外されたのに怒ってティーム批判をしたムシナは、先発復帰後3連勝。ただし、最後の登板が5回6失点だったところには不安が残る。クリーヴランドはウェストブルック、バードと右が二人続く予定だが、故障でシーズン前半振るわなかったウェストブルックは、オールスターゲーム以降好調。9月の防禦率5.21と落ち込んだバードは心配ではあるが、クリフ・リーや新人のアーロン・ラフィを交えてくることも考えられる。
しかし、クリーヴランドにも致命的といっていい弱みがある。まず抑えのジョー・ボロウスキは今季リーグ最多の45セーヴをマークしてはいるものの、防禦率は5.07でセーヴ失敗は8回。ヤンキーズとの試合では4月19日にアレクス・ロドリゲスにさよなら本塁打を打たれたこともある。1点差で最終回という展開であれば、同点、あるいは逆転というチャンスがないわけでもない。ただ、クローザーについてはヤンキーズにもやや不安がある。通算443セーヴを誇るマリアノ・リベラにも衰えが見えていて、今年最後の登板になった9月28日のボルティモア・オリオールズとの試合では2アウト満塁からジェイ・ペイトンに三塁打を打たれてセーヴ失敗、ブルペンに定着した96年以来初めて防禦率が3点台になってしまった。リベラと言えども、安心しては見ていられないかもしれない。もう一つは、捕手マルティネスの守備。盗塁阻止率の高くないマルティネスを、ジーター、デイモン、アブレウ、カブレラ、場合によってはロドリゲスも脚力を使って惑わせるという攻め方もありそうだ。
投手力からすれば、最初の2試合はクリーヴランドが制する確率はきわめて高い。第3試合はクレメンスが出てきたら、そのままクリーヴランドの3連勝で終わるだろう。たとえムシナを使っても、クリーヴランドの優位は動くまい。3勝1敗以上でクリーヴランドが優勝決定シリーズに進出する。