アリゾナの打線については、シーズン通して得点力不足が指摘されている。712得点は今回ポストシーズンに進んだ8ティームの中で最も少ない数字である。その打線の中で頼りになるのは、ヴェテランのエリク・バーンズ。ティーム首位の83打点をマークしているだけでなく、21本塁打、50盗塁と、長打力と脚力とを兼ね備えた選手だ。ティーム首位の32本塁打を打った新人のクリス・ヤングも、バーンズ同様、俊足長打の選手だが、振り回す傾向が強いために多くを期待することはできない。あとは平均61打点、13本塁打の、コナー・ジャクスン、オーランド・ハドスン、スティーヴン・ドルー、マーク・レノルズの内野手4人や、長打力のあるトニー・クラークたちの奮起に期待するよりなさそうだ。シカゴは昨年40本塁打、40盗塁のアルフォンソ・ソリアノが、シーズン途中に故障欠場もあってやや不調。それでも、初回から長い当たりをスタンドにたたき込む打撃は要注意である。中軸を打つデレク・リー、アラミス・ラミレスのコンビは安定した打撃で打点も狙える。クリフ・フロイド、ジャック・ジョーンズの左打者がやや見劣りするようだが、アリゾナの打線と比較してしまえば、やはりシカゴの方が上だろう。これらの長打者の間で、ライアン・セリオト、マーク・デロサがうまくつなぎ役を果たして得点を重ねていくのが、シカゴ有利の展開である。また、ソリアノ、リー、フロイドなど、ワールドシリーズ出場経験がシカゴには多い。短期間で決着の着くポストシーズンでは、こうしたヴェテランの働きがしばしば勝敗を左右するポイントになるものだ。
予定されている両ティームの先発投手は以下の通り。
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アリゾナ
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第1試合
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ブランドン・ウェブ
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第2試合
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ダグ・デイヴィス
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第3試合
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リバン・エルナンデス
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第4試合
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マイカ・オウィングズ
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シカゴ
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第1試合
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カルロス・サムブラノ
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第2試合
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テッド・リリー
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第3試合
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リッチ・ヒル
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第4試合
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ジェイスン・マーキス
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第1試合はともに18勝を挙げているウェブとサムブラノという両右腕の投げ合い。しかし、安定した投球が期待できるウェブに対して、サムブラノにはときどき大崩れする悪いくせがある。そのあたりを考えて、第1試合はウェブの勝ちと見る。第2試合では、キャリア最高のシーズンを送った左腕投手、デイヴィスとリリーとが顔を合わせることになる。3点から4点が勝敗の分かれ目になりそうだが、シーズン中の成績でデイヴィスを上回っているリリーが投げ勝つと思われる。第3試合の先発が予定されている右腕リバン・エルナンデスは、97年のフロリダ・マーリンズ世界一を経験している投手。また、今季は11勝を挙げているものの、先発した試合数を上回る34本塁打を打たれている点が気にかかる。地元リグレィ・フィールドに戻って意気の揚がるシカゴ打線につかまって、大量失点を喫するかもしれない。第4試合のシカゴ先発、右腕マーキスは、セイントルイス・カーディナルズに在籍した昨年、シーズン中の不調で出場メンバーから外されていたものの、世界一経験者。今年の成績は可もなく不可もなしといったところだが、アリゾナ先発が新人右腕マイカ・オウィングズであるので、ここはヴェテランが有利。ところで、マーキスは昨年ナショナルリーグのシルヴァースラッガー賞選出、オウィングズは高校時代から投打両面で優れた選手である。この二人がどんな打撃を披露するのかというのは、個人的な興味である。01年の世界一のときにワールドシリーズMVPに選ばれた左腕ランディ・ジョンスンがアリゾナのスタッフにいるとしたら、という仮定にはいささかそそられるが、腰痛の悪化で今年限りで引退と言われるジョンスンでは、当時の働きの半分も期待することはできまい。
第5試合までもつれるとウェブ、サムブラノが再び相対することになって、結果の予想がまた難しくなりそうだ。しかし、シリーズはそこまで進まず、わずかながらも投打で上回るシカゴが3勝1敗でアリゾナを降す。