東地区
昨年はニューヨーク・ヤンキーズの連続地区優勝が途絶え、95年以来の地区優勝を飾ったボストン・レッドソックスが今世紀2度目の世界一を成し遂げた。長年この2ティームによる首位争いが続いているが、今年はトロント・ブルージェイズも見逃すことはできない。この2、3年、積極的な補強に努めているトロントだが、故障者が多いために成績が振るわない。今年も抑えのB・J・ライアン、新加入のスコット・ローレンが開幕に間に合わないと伝えられている。とは言うものの、この地区では最強の投手力を持つティームなので、メンバーが揃えば93年以来のポストシーズンを狙える。
昨年の世界一ボストンは、ひと足先に海の向こうで開幕試合を行ない、1勝1敗の成績だった。06年にみるみるうちに3位に転落していったことからもうかがえるが、故障者が出るともろい点ではトロントと似ている。昨年の新人賞ダスティン・ペドロイアや、開幕試合で活躍したブランドン・モスのように、若手の台頭がないと足下をすくわれそうだ。
ヤンキーズのローテーション入りが期待されたドラフト第1巡指名トリオのうち、フィル・ヒューズ、イアン・ケネディの二人は先発に残り、ジョバ・チェムバレンはブルペンに回る予定。デレク・ジーター、ホルヘ・ポサダがやや打撃不調のようだが、シーズンが始まれば、昨年MLB最多得点を挙げた打線がまた猛威を振るうだろう。
今年ティーム創設10周年のタムパベイ・レイズは、大きな飛躍を遂げる年になりそうだ。エースのスコット・カズミア、外野手ロッコ・バルデッリの故障はあったものの、春期練習では各選手が順調な仕上がりを見せている。期待の新人エヴァン・ロンゴリアやジェフ・ニーマンが実力を発揮すれば、ティーム史上初めて勝率5割を超えられるかもしれない。
中心打者のミゲル・テハダ、エースのエリク・ベダードを放出してしまったボルティモア・オリオールズは、空いた二つの穴をまだ埋めることができていない。エースとして期待されるダニエル・カブレラ、アダム・ローウェンは相変わらず制球が定まらず、テハダに代わる遊撃手は未定と、多くの不安を抱えたまま開幕を迎えることになりそうだ。
中地区
このオフシーズンのトレードでMLB最強のメンバーを集めたデトロイト・タイガーズと、昨年MLB最高勝率を挙げたクリーヴランド・インディアンズとの争いになる。ドントレル・ウィリス、ミゲル・カブレラ、エドガル・レンテリア、ジャック・ジョーンズなどオールスター選手を迎えたデトロイトには付けいる隙がなさそうに見えるが、練習試合で若きスター、カーティス・グランダースンが指を骨折。ブルペンにも故障者が相次いでおり、開幕目前で問題が続出である。
C・C・サバシア、ファウスト・カルモナを中心に据える先発スタッフはMLB屈指と言っていいが、抑えのジョー・ボロウスキには、もう少し安定感のある投球を見せてもらいたいところだ。昨年打撃不振に陥ったトラヴィス・ハフナーの復活、伸び悩みの続くアンディ・マルテの急成長があれば、デトロイトの強力打線にも十分に対抗できる。
ホアン・サンタナ、トリイ・ハンターがいなくなったことで、ミネソタ・トゥインズは下位に低迷すると見る向きが多いが、デルモン・ヤング、カルロス・ゴメス、マイケル・カダイアと並ぶ外野トリオは、打撃走塁守備のバランスから見ればMLB屈指の3人だ。フランシスコ・リリアノが比較的早い時期にメンバーに戻って来られそうなのも朗報である。
カンザスシティ・ロイアルズでは、アレクス・ゴードン、ビリー・バトラーが打撃好調で、今シーズンは大いに得点力がアップしそうだ。快足ジョーイ・ギャスライトの評判も上々のようである。06年の全体第1位指名ルーク・ホシェヴァーがAAA級に配属されたため、先発ローテーションには予定変更がありそうだ。
ニック・スウィシャー、オルランド・カブレラなど、シカゴ・ホワイトソックスがこのオフシーズンに獲得した選手は、軒並み打撃不振に陥っている。それでも、ブライアン・アンダースンやアレクシ・ラミレスなど若手の成長が見られるのは救いである。しかし、ジョン・ガーランドが抜けてまた一人少なくなった先発を補う若手は登場するだろうか。
西地区
トリイ・ハンターを打線に加えたロサンジェルス・エンジェルズ・オヴ・アナハイムがこの地区の本命である。ジョン・ラッキィ、ケルビム・エスコバルを欠くシーズン序盤には苦しむ場面も見られそうだが、ジョー・ソーンダーズやダスティン・モーズリィなどの若手がカヴァーする。6安打のうち長打は3本塁打を含む5本、しかし三振は20個というブランドン・ウッドは正遊撃手としてのMLB初年度をどうやって乗り切っていくだろうか。
一方、シアトル・マリナーズは先発スタッフを整備してエンジェルズに対抗する。ジャロッド・ウォシュバーンを除く、あとの4人は数字が振るわないものの、すでに五本柱は決定。練習試合では5割以上の大当たりを見せているマイク・モースが、MLB機構を見返してやるときがついに訪れるのか。こちらも注目に値する。
テキサス・レンジャーズはこの春、打線が好調だ。ジョシュ・ハミルトン、イアン・キンズラー、デイヴィッド・マーフィーの若手はいずれも20安打以上をマーク。一方、投手の方は先発、救援ともに振るわない。先日マイナーリーグ契約を結んだばかりのジョン・パタースンが復活すると
昨年のエースと、屈指の長打者を放出したオークランド・アスレティックスは、ティームの柱エリク・チャベスも故障で失った状況で開幕を迎える羽目に陥った。しかし、カンザスシティで長年キャプテンを務めてきたマイク・スウィーニィがまとめ役になれば、もしかしたらこのティームも格好がついてくるかもしれない。