08年新人ドラフトレヴュー第2回
9 ワシントン・ナショナルズ
50人(大学生22人、高校生17人、短期大学生11人/投手21人、野手29人)
短期大学生の指名が多く、第9巡までに3人を指名した他、全体で11人も短期大学生の名前を呼んでいる。大学球界No.1右腕のアーロン・クックを押さえたが、全体では投手よりも野手の指名の方が多かった。
指名巡
(全体順位)
名前
位置
投打
出身校
1(9)
アーロン・クロウ
RHP
右右
ミズーリ大学
大学球界トップクラス、右腕投手としてはNo.1との呼び声も高い。最速で98マイルの速球を内外高低を自由自在に投げ分けるだけでなく、スライダー、チェンジアップも交えて打者を退ける、完成度の高い投手である。
2(55)
デスティン・フッド
LF
右右
セイントポール聖公会高校
高校生の中ではトップクラスの長打力を誇る強打者と評されている。振り回しがちな打撃と、経験の少ない外野での守備とがやや気にかかるところだが、順調に育てば、打線の中軸を任せられる選手になれるだろう。
3(87)
ダニー・エスピノザ
SS
右両
ロングビーチ州立大学
常に全力でのプレイを心掛ける姿勢が、関係者のあいだでは高く評価されている。打撃走塁守備いずれも平均点というところだが、最大限の結果を出すための努力を惜しまない。本来の守備位置は遊撃手だが、将来は内野のどのポジションでもこなせる選手になりそうだ。
10 ヒューストン・アストロズ
52人(大学生21人、高校生19人、短期大学生12人/投手25人、野手27人)
第1巡で大学球界屈指の捕手と評されているジェイスン・カストロを指名したが、全体でも8人の捕手を指名している。そのカストロの後で高校生を4人続けて指名しているが全体では19人だった。また、短期大学生の指名は30ティーム中で最も多い12人。
指名巡
(全体順位)
名前
位置
投打
出身校
1(10)
ジェイスン・カストロ
C
右左
スタンフォード大学
大学2年生までは2割台の打率しか打っていなかったが、3年生になってから打力が急激に向上している。一塁や外野を任されることが多かったために捕手としての経験はまだ少ないものの、捕球では頭足の進歩を見せており、今後さらなる成長が期待できる。
1S(38)
ジョーダン・ライルズ
RHP
右右
ハーツヴィル高校
平均80マイル後半の速球に、カーヴボールとチェンジアップとを交えて、打者を退けるタイプの投手。しかし6フィート4インチと体は大きいので、さらに鍛えれば、球速、球威ともに向上する可能性は大いにある。
2(56)
ジェイ・オースティン
CF
左左
ノース・アトランタ高校
打撃走塁守備が揃った万能選手と評判の中堅手だが、特に注目されているのは脚力と肩の強さ。巧みに当てていく打撃に、長打力が備わってくれば、本当の意味でのオールラウンドプレイヤーになれる選手である。
3(88)
チェイス・ダヴィドスン
1B
右左
ミルトン高校
ジム・トーミとも比較される、長打力を備えた大型の一塁手である。やや引っぱる打撃にこだわる傾向があって、それで三振を喫することも多いが、打撃が安定してくれば、打線の中軸を任せられる選手だ。
3S(109)
ロス・シートン
RHP
右左
セカンドバプティスト高校
昨年までは90マイルがやっとだった球速が、今年の春に最速96マイルを計時してから、にわかに注目を集めるようになった右腕投手。現在習得中のチェンジアップがコントロールできるようになれば、すぐにでもMLBに呼ばれることだろう。
11 テキサス・レンジャーズ
50人(大学生30人、高校生14人、短期大学生4人、その他1人/投手26人、野手24人)
第9巡までに高校生を4人指名しているが、全体では14人で、すぐにMLBでのプレイが期待できる大学生の指名が主だった 。第36巡指名の右腕ジャック・アームストロングの実父は、90年のレッズ世界一のときに12勝をマークした主力投手だった。
指名巡
(全体順位)
名前
位置
投打
出身校
1(11)
ジャスティン・スモーク
1B
左両
サウスカロライナ大学
両打ちで強打の一塁手だということで、昨年7月までテキサスに在籍していたマーク・テイシェイラと比較されることが多い。苦手な球種やコースがほとんどなく、フィールドの至るところに打ち返すことができる技術は、すでにMLB級と言っていいだろう。一塁守備も危なげがなく、正一塁手に苦しむテキサスはすぐにでもスモークを起用したいだろう。
2(57)
ロビー・ロス
LHP
左左
レキシントン・クリスティアン・アカデミー
ケンタッキー州内では屈指の高校生投手として注目されている左腕投手。90マイル前半の速球、スライダー、チェンジアップの配球は抜群で、6フィートという小柄な体格ながらも、試合終盤まで球威が衰えない体力も備えている。
3(89)
ティム・マーフィー
LHP
左左
カリフォルニア大学ロサンジェルス校
大学2年生までは投打者として将来を期待されていたが、3年生のシーズンでの活躍で大学球界屈指の左腕投手としての定評を得た。斜めに大きく曲がり落ちるカーヴボールを主体として、90マイル前半の速球、フォーシーマー、スライダー、チェンジアップと様々な球種を投げ込む。制球が安定すれば、MLB昇格は早いだろう。
12 オークランド・アスレティックス
50人(大学生28人、高校生15人、短期大学生7人/投手26人、野手24人)
トップから第5巡まで全員大学生、初めて高校生の名前が呼ばれたのは第10巡目と、「マネー・ボール」で知られる指名スタイルだった。しかし例年は40巡を過ぎたところで指名を終えるのが、今年は珍しく最終の50巡まで指名に参加している。
指名巡
(全体順位)
名前
位置
投打
出身校
1(12)
ジェマイル・ウィークス
2B
右両
マイアミ大学
ミルウォーキー・ブルワーズの二塁手リッキー・ウィークスは実兄。兄が右打ちなのに対して、両打ちのジェマイルは、打率も長打も、どちらも狙える打者である。持ち前のスピードを活かして、塁に出ては相手投手に重圧を与える、オークランドには珍しいタイプの選手になるだろう。
2(58)
タイスン・ロス
RHP
右右
カリフォルニア大学
大学1年生の時から先発ローテーションの一角として投げてきた。昨年夏からやや球速が落ちてきているものの、ベストの状態であれば95マイル近い速球を投げる。80マイルを超すハードスライダーが一番の得意球で、将来はセットアッパーとして活躍の場を手にするかもしれない。
3(90)
ピーティ・パラモア
C
右両
アリゾナ州立大学
今年のドラフト候補の中には打力のある捕手が多かったが、パラモアは大学球界トップクラスの守備力を備えた捕手として注目されていた。捕球が巧く、特に低い球の処理が絶妙で、肩の強さも、本来の調子が戻れば水準以上と言われている。打撃はやや苦手だが、投球を見極めて四球を選んでくる打撃はオークランド向きと言えそうだ。
13 セイントルイス・カーディナルズ
51人(大学生34人、高校生9人、短期大学生8人/投手27人、野手24人)
大学生の指名で有名なのはオークランドだが、セイントルイスは毎年30人以上の大学生を指名してくる。今年は34人を指名したのに対して高校生はわずか9人だった。全てのポジションから満遍なく選手を呼んでいる。
指名巡
(全体順位)
名前
位置
投打
出身校
1(13)
ブレット・ウォレス
1B
右左
アリゾナ州立大学
大学球界トップクラスの強打者と評判の選手で、長打者ではあるが、投球をよく見極めるしぶとさも兼ね備えている。体重260パウンドという体型が三塁手向きではないという声が多いが、一塁にはアルバート・プホルスがいるので、しばらくは三塁手として成長を見ることになる。
1S(39)
ランス・リン
RHP
右右
ミシシッピ大学
6フィート5インチ、250パウンドという巨体にふわさしく、体力抜群の先発投手として大学時代には活躍した。卓越した球種は持っていないものの、90マイル前半の速球、スライダー、カーヴボール、チェンジアップと多彩な球種を投げ分ける、投球術を心得ている。
2(59)
シェイン・ピータースン
OF
左左
ロングビーチ州立大学
スピードでは平均をやや下回るものの、打撃と守備とでは高く評価されている外野手で、特に打撃面では、好不調の波がほとんどない、抜群の安定感を誇る。投球の見極めにも優れており、レギュラー確実という外野手が少ないセイントルイスでは、出場のチャンスが早く訪れると思われる。
3(91)
ニコ・ヴァスケス
SS
右右
デュランゴ高校
第2巡指名のピータースンと同様に、スピード面ではやや劣るが、打撃も守備も高校生としては上位に入る技量を備えていると評されている。左右に打ち分ける巧みな打撃は申し分ないが、守備範囲がやや狭いために、プロ入り後は三塁か二塁に移った方がいいのではないかと見る向きもある。
14 ミネソタ・トゥインズ
52人(大学生24人、高校生20人、短期大学生8人/投手28人、野手24人)
確かなスカウト網で多くの高校生を探し出し、ファーム組織で育てるのが得意なティームだが、今年は第1巡でアーロン・ヒックスを指名した後は、第20巡までで名前を呼ばれた高校生が5人と、2、3年後の昇格が期待できる大学生を主体にして指名を行なっている。
指名巡
(全体順位)
名前
位置
投打
出身校
1(14)
アーロン・ヒックス
CF/RHP
右両
ウィルスン高校
中堅手としてだけでなく、投手としてもドラフト第1巡候補間違いなしと噂されていた、高校球界屈指の好素材である。巧打と長打とを兼ね備えた打撃に、マウンドに登れば90マイル前半の速球を投げる肩、脚力も抜群という、恵まれた才能を育むのには、ミネソタは最もふさわしいティームであるかもしれない。
1(27)
カルロス・グティエレス
RHP
右右
マイアミ大学
トミー・ジョン手術のために昨シーズンはほとんどプレイできなかったが、今季は大学球界屈指のクローザーとしてマウンドに戻ってきた。90マイル前半の落ちる速球を低めに集めて、打者から三振を奪う。さらに球種を増やせば、MLB昇格の時期がさらに早まることだろう。
1S(31)
シューター・ハント
RHP
右右
テュレイン大学
90マイル前半のフォーシーマー、スライダー、カーヴボール、チェンジアップを投げ分けて、投球回数を上回る三振を奪う。ただ、打者のタイミングを外そうとしすぎて、球数が増えてしまう傾向があるのが欠点と言える。
2(60)
タイラー・ラーデンドーフ
SS
右右
ハワード短期大学
今シーズンは53試合で打率.542、82打点、16本塁打、31盗塁という驚くべき数字を残している、短期大学生の中では間違いなくトップクラスの強打者だ。高校時代に肩を傷めたため、送球がやや不安定になるときがあるが、太めの体型にもかかわらず、守備はうまい。
3(92)
ボビー・ラニガン
RHP
右右
アデルフィ大学
90マイル前半の速球とスライダーとの組み合わせで、今シーズンは投球回数を上回る三振を奪った。大学時代にはほとんど使わなかったチェンジアップに磨きをかけて、MLB昇格を目指したい。